はじめの一歩

僕が好きだったマンガのタイトル。
今もまだ連載は続いているのだろうか?

何にしても、はじめの一歩を踏み出すと言うのは難しい。しかし、後から考えると、何故はじめの一歩を踏み出す事に躊躇していたのか忘れてしまっていることが殆んどだろう。
現在、僕も新しい事を始めようとしている。既にはじめの一歩は踏み出してしまったが、その一歩を踏み出すのに約1ヶ月かかった。今思えば、その1ヶ月はただこれから踏破しなければならない道程の長さを恐れていただけで、これから目指さなければならない自らのカタチを考えていた訳ではなかったような気がする。今ようやく道程の終着点が見えてきたので、その苦労を忘れないように記録に残してみようと思う。

前置きはこれぐらいにして、本題に入る。
僕は日本で消化器・一般外科医として約9年のトレーニングの後、研究のためにアメリカにやってきた。研究生活というのは、今までの臨床医としての生活とは打って変わって膨大な時間をFreeに使える。僕も研究留学組のご多分にもれず、このFreeな時間をゴルフや自転車、釣り、宴会などの趣味に費やしていた。しかし渡米後半年を過ぎる辺りから、物足りなさを感じ始めた。それまでは、アメリカで臨床研修をやる事なんて全く念頭になかったが、暇つぶしに見ていたWeb siteに移植外科のFellow(アメリカでは5年間の一般外科でのResidentを終了後、1〜3年のFellowというTraining positionで研修を続けるのが一般的らしい)の募集があるのを見つけた。しかもFellowのPositionには外国でのResident経験者でも応募できるらしい。日本にいる時は将来の自分のキャリアなんて考えている暇は無かったが、このFellow募集広告は自分のキャリアパスを考えるきっかけを与えてくれた。それが2004年12月下旬の出来事だった。