Fellow開始前夜2

今週は月曜から米国独立記念日をはさんでFellowのオリエンテーションがあった。日本では、研修を始める前に半日ほどの本当に簡単なオリエンテーションがあっただけだが、ここでは丸2かがかりのみっちりとしたオリエンテーションだ。しかし、内容はと言うと手洗いの仕方から、伝染病の隔離病棟への入り方など、すでに経験のあるFellowを対象とした内容とは言えないものが大半だった。しかし、Patient SafetyとWork hourのRegulationのセッションは興味深かった。
Patient Safetyのセッションでは、医者はErrorを起こすと言う前提で話しが進められた。医療行為による死亡率のハザードは、飛行機事故や原発事故による死亡ハザードとは比べるべくも無く高く、登山やバンジージャンプとほぼ同率であると言う。医者が一つの行為でエラーを起こす確立も20%と非常に高いという。ここで、日本人ならエラーを起こさないように考えを発展させていくが、このセッションではエラーの確立は20%であるという事実を大前提に、いかに1つのエラーが重大事故へと発展していくのを防ぐのかと言うシステム論を重視していた。日本でなら、自己犠牲と精神論で片付けられがちな問題だが、事故防止システムに関しては明らかに日本は遅れをとっていると思う。次にWork Hour Regulationだが、良質な医療を提供するには医者が十分な休養をとっている必要があるという。ここジャクソン記念病院では4週間平均で週80時間以上、連続24時間以上の労働を禁止し、週に1日は完全な休日をとることを定めている。移植外科Fellowもこれを遵守しないとペナルティーがDivisionもしくはDepartmentに課せられるらしい。(しかし、実際は家に帰れるのは3,4日に一度というのが現実のようだ。)日本も早いところ見習って欲しいものだ。
そんな感じで、いよいよ修行生活の開始が迫ってきた。心配の種は家族の生活とSAABの不調だ。SAABは安かっただけに、冷却システムと電気系統がいかれているようだ。無事に動き続けてくれる事を祈るだけだ。