Step 1

いよいよ緒戦の日がやってきた。実際の試験は日本でもTOEFLなどで知られているPrometricという会社が代行するので、全米の比較的小さな都市でもほとんど毎日受けられる。僕の場合は自宅より車で1時間弱のRaleighというノースカロライナ州の州都で受験した。
試験会場には約20台のPCが置かれており、USMLEのほかにも様々なテストがPCのソフトを切り替えるだけで受けられるようになっている。例によって会場の1時間近く前には現着し、受付を待っていると、僕のほかにもテストの受験者が続々やってきた。ほとんどの受験者はおじさんおばさんで、USMLEを受験しに来たのは僕のほかに一人だけのようだった。アメリカという国は、この試験会場の様子からも分かるように資格社会で生涯学習の意識の高さを持った国だと感じさせる場面だった。
試験は、コンピュータ上で行われるMultiple choice試験で、1時間50問の7ブロック、計7時間で行われる。
最初の2ブロックは、NBMEの模試と同程度の難易度でまあまあの手応えだったが、続く3つのブロックは苦手なBiochemistry、しかも飛びきり最先端の知識を問うような内容で鼻血が出そうになるのを堪えながら何とかこなした様な感じだった。意気消沈したまま残りの2ブロックを終え、7時間にも及んだPC画面と英語漬け状態から開放された。途中休みが取れるとはいえ、7時間もちらつくPC画面を見たのも、時間に追われながら英語を読みまくったのも初めてだったので、脳みそがすっかり腫れ上がってしまったようで、頭蓋内圧亢進症状のような激しい頭痛と嘔気、視野障害に耐えながら帰途に着いた。