第1週目

さすがにブログを更新する時間がとれない。
Fellowの生活は早朝5時半には病院に着くため、4時半起床から始まる。朝の回診自体は8時半から始まるが、Attendingと呼ばれる上級医に患者さんの状態をプレゼンするために、前日の患者さんの情報を収集するためだ。日本での研修医時代は、体温や血圧、輸液の状態なんて大雑把に要約して朝回診のときに報告していたので、情報収集には大して時間はいらなかったが、ここでは、具体的な数字まで報告するので非常に時間がかかる。看護記録を写し、朝の検査結果をチェックして、患者さんを診察する。2時間ほどかけて情報収集し、そのままProgress Report(カルテ)をAttending回診の前に仕上げてしまう。Attendingとの回診も2時間以上かかるので、病棟業務で5時間以上消費してしまう。回診後は手術か特殊検査(内視鏡や肝生検など)、Attendingからの指示を実行に移し、各種連絡業務で、雑用に追い回される。一段落ついたら、既に17時近くになっているのが平均的な毎日だろう。しかし、17時に終了しているのは稀で、手術や検査で時間をとられ、一息つくのは19時頃と言うのが、この1週間のパターンだった。でも19時に帰れるわけではなく、夜の回診やカルテ業務、入院対応などで23時ぐらいまでかかってしまう。この病院で驚かされるのが、入院予約が入っている患者が21時や23時ごろに病棟に入ってくる。病院のスタッフの都合なんてお構い無しである。
今週は、月曜から金曜までMinor Surgeryが4件、Major Surgeryが1件、肝移植が1件と毎日手術室に入っていた。全ての手術を第1助手として入るのだが、手術のお作法が日本と全く違うので、非常にやりづらい。糸結び1つにしても、日本の看護士のように場所によって糸の長さを変えてくれる事なんて全くないし、術者も糸結びのために視野を確保してくれる事もない。さらに僕の英語を理解してくれないし、相手の英語も分からない。でも昨日の移植で12時間みっちり手術に付き合っていたので来週からは、結構いけるだろう。
まあ、今のところは、AttendingもNurseも患者さん(の親)も僕を医者とは見ていないので、プレッシャーをがんがんかけてくる事は無い。でも、そんな扱いを受け、日本では自分ひとりでこなしていたような検査も、Attendingの予定を必死に確認してスケジュールを立て、さらにメシどころか水を飲んだり、トイレに行く(この病院のトイレには暗証番号キーが必要なトイレがやたらと多い、切羽詰ってるときには、かなりつらい)のにも不自由な生活というのは、非常にストレスだった。でもSuperviserのイタリア人Attendingが、とても楽しい人なので、以外にこんな生活を楽しめている。