米国Fellow生活

ストロング ベイダー卿

休暇を終えてダークサイドに戻ると、そこには地獄が待っていた。病棟を担当するAttendingは毎週替わるのだが、今週はベイダー卿のサービスと言う事で警戒はしていた。ベイダー卿の要求は非常に高い。さらに今週1週間で移植が10件もあり、非常に厳しい1週…

ダークサイドの1週間

成人肝移植グループに来てから1週間がたった。この一週間は意外にもスローペースで、移植は4件だけだった。おかげで徹夜は1晩だけで済み、比較的平穏なスタートだった。まだ皇帝に拝謁する機会は無いが、ベーダー卿からは手術場では「如何に糸を操るか」…

モートル

以前研修させていただいていた歴史の古い病院では、モートルという古い外科の習慣が今も残っていた。モートルというのは、研修医が初めての手術を経験させてもらったときに指導医の先生や同僚にお礼の意味を含めて一席設けると言うものだ。その病院では研修…

久しぶりの更新

気がついたら前回ブログを更新してから1ヶ月近くたってしまった。 ここ最近は30人近くの入院患者を抱え、回診だけでも一巡するだけで3〜4時間もかかり、朝の回診と午後のアテンディング回診をあわせると1日8時間回診しているような状態が続いている。…

New Frame for Loupes

最近ルーペのフレームを変えた。 今まではチタンのフレームを使用していたが、ノーズパッドが欧米人仕様で、思いっきり日本人な僕の低い鼻にはフィットしていなかった。そのせいか、2時間もルーペを着けているとパッドがあたっている部分が痛くなってきて手…

不穏な会合

昨日、今日と平穏な日が続いている。という訳で、今日は1年目のfellow3人で病院を抜け出しランチに出かけた。以前から3人揃ってメシでも食おうと画策していたのだが、いつも誰かしらが忙しくて結局Fellowを始めて6ヶ月目にしてようやく実現した会合だ。…

記録樹立

前回ブログを更新してから立て続けに2夜徹夜し、連続3日間の記録を樹立する事が出来た。さすがに3日目の朝は、糸を結びながら意識を失ったりして訳がわからない状態になっていた。どうやって家まで帰ったのかも良く覚えていないが、家に帰ってようやくベ…

クリスマスからお正月

気がついたらいつの間にか2007年に突入していた。常夏のマイアミでは全く季節感が無いのでクリスマスやら元旦やら、全く実感がわかない。いづれにせよ病院内に軟禁状態のFellowどもにとっては関係の無い話だ。また最近妙に忙しい、先週末から病棟患者の急変…

X'mas present

とうとう風邪をひいてしまった。ほったらかしにしてあった娘の風邪をもらってしまったようだ。しかし、そんな時に限って妙に忙しい。X'mas当日は朝の6時から深夜1時までみっちり働き、今日も4時間睡眠で朝の6時からお仕事だった。いつもなら普通の忙しさ…

Windows Mobile 5.0 日本語化

アメリカの研修医にPDAは欠かせない。僕もVerizonのSmart phoneを使っている。僕が選んだのはWindows Mobileだが、Palmに比べてユーザー層が薄いのか日本語化のいい情報がなかなか探せないでいた。しかし、先日思い切って日本語化を試してみたところ、いまの…

Intern

以前にも書いたが、腎移植チームにはInternが4人いる。アメリカのトレーニングシステムは、ResidencyからFellowshipを経てAttendingとなって一人前の専門医になると言うのが一般的だ。Internというのは公式なトレーニングのポジションではない。米国Medical…

手術場にて

最近立て続けに日本で頑張っている同門の友人たちから連絡があった。友人たちの活躍の話しは聞いていて気持ちがいい。 ところで、夜なべして手袋を縫っているおかげで、ちょっとは縫合がまともになってきた。腎移植チームの手術は肝移植チームと違い、術中に…

手袋を縫う日々

腎移植グループに移ってから、忙しいながらもBeautifulな日々が続いている。何といっても手術をやらせてもらえるのがうれしい。とはいっても、米国Fellow生活に入る前は、しばらく臨床の世界から離れていたので、いきなりの術者は結構大変だ。今まで修行では…

EQ腎移植チーム

腎移植チームでの修行が始まった。今までと違い、年間200例以上の症例数をこなす腎移植グループの人員配置は厚い。FellowはSeniorとJuniorの2人体制でInternも4人もいる。単純に小児移植チームの倍の計算だ。なかでもSeniorのFellowがいることが非常に…

Rotation

今週で4ヶ月の小児移植チーム研修が終わり、来週から腎移植チームに配置換えになる。終始怒られっぱなしの4ヶ月間だったが、かなり楽しかった。ようやく仲良くなれたICUの連中と別れるのは寂しいし、K先生の厳しい突込みがしばらく聞けなくなってしまうの…

お砂糖ご飯

小児移植外科では、子供を扱うだけあって、栄養には細心の注意を払う。特にうちのチームでは小腸移植(多内蔵移植も含む)症例が多いので、殊更だ。しかし、ここはアメリカだけあって、食事の区分は非常に大雑把だ。日本では、胃などの消化管の手術後では流…

先週末はほとんど2ヶ月ぶりに1日休む事が出来た。とはいっても1日じゃあ旅行も行ける訳ではないので、アパートの近所でブラブラと過ごし、子供の宿題に付き合って1日が終わってしまった。今週末は、土曜日の今日は手術でつぶれ、明日はオンコールなので…

Surgical Loupes

とうとうLoupeを注文してしまった。生来目のいい僕は7−0の糸も肉眼で見えるし、実際マウスの胆管をいじくる手術を顕微鏡無しでこなしていたので、本当は必要なかったかもしれない。実際、同僚のFellowも「俺は目がいいからいらない」なんていってるぐらい…

リゾート気分

Ernestoは期待外れに終わり、あっという間にHurricane Shiftは終わってしまった。Ernestoにはもう少し歯を喰いしばって頑張って欲しかったが、自然現象に文句を言っても仕方が無い。カロライナ時代の戦友BBQ軍曹はかなり楽しげな休暇を送っているようだ。詳…

Welcome Ernesto

Toropical Storm ErnestoがMiamiに接近している。 そんな訳で、病院は今、Hurricaine Shiftといってお休み状態だ。先週末から昨日にかけてドナー手術があったり病棟から呼ばれたりで、ほとんど寝ていなかったので、昨日AttendingのK先生から休みを取っていい…

ドナー手術

先週はAdult Liver Transplant ServiceのFellowが休暇をとっていたおかげで、Adult serviceの応援要請コールが一気に増え、さらに小児移植チームのInternの先生も休暇をとっていたので、かなりハードな1週間だった。今、小児移植チームにはAttendingの先生…

欲求不満

最近は随分と仕事にも慣れてきて、ようやくFellowっぽくなってきた。知識と経験は日本でつんでいるので、こっちでも十分通用する。大抵のFellowクラスよりは自分の知識と経験のほうが勝っているような気がする。始めはあまりの英語のまずさに全く他科の医者…

Fellow仲間

この病院には移植外科Fellowが5人いる。どういうわけか米国人はいない。他の科は外国人の方が珍しいが、うちの移植外科ではFellow以外でも米国人は2人しかいない。やっぱり仕事のハードさを敬遠しているのだろう。Fellow生活も大変だが、Attendingの先生も…

Wave

平穏な日々は3日で終わり、その後は嵐が待っていた。火曜日は病棟の患者の容態が悪く、3時間睡眠で、水曜日はAdult Liver Serviceへの応援でDonor Surgeryに借り出され徹夜し、そのまま木曜日は1歳の子供の多臓器移植で夜中の3時まで手術室にこもってい…

フェロー生活も3週目が終わり、ようやく仕事にも慣れてきた。今週はドナー手術、肝移植、腎移植と盛りだくさんの週だった。どれもこれも初めてか経験の浅い手術だけに、助手をやるのも大変だ。特にここ数日はアダルトの移植チームが忙しいようで、今日から…

肩透かし

今朝のミーティングの途中で、多臓器移植のドナーが出たという連絡があった。今日も明日も予定の手術が入っていたので、この感じだと24時間手術室軟禁状態かと覚悟していたが、結局ドナーは腹膜炎を起こしていたので、移植に適さないということになり、移…

初金星

仕事を始めて2週間が経ったが、ようやく新しい環境に慣れてきた。愛用のトイレも決めたし、秘密の喫煙場所も見つかった。医者らしい仕事もできるようになってきた。そうなってくると、徐々に周囲からのプレッシャーも強くなってくる。やっぱり1番つらいの…

初オンコール

続く日曜日は始めての単独オンコールだった。米国で病院勤めを始めてから始めてのおつかい状態だ。その日は日曜日だと言うのに検査をみっちり詰め込んでいて、更に緊急の入院があったりしたので大忙しであった。何しろうまく意思疎通も出来ないし、仕事もき…

初肝移植

初肝移植と言っても、術者だったわけではないが、初めての肝移植は突然やって来た。 先週木曜日に、小児消化器科から原因不明の劇症肝炎のコンサルトを受けていたが、早速翌日にドナーが現れたと言う。ドナー肝の状態が良好である事を確認してから、手術は1…

第1週目

さすがにブログを更新する時間がとれない。 Fellowの生活は早朝5時半には病院に着くため、4時半起床から始まる。朝の回診自体は8時半から始まるが、Attendingと呼ばれる上級医に患者さんの状態をプレゼンするために、前日の患者さんの情報を収集するため…