手術場にて

最近立て続けに日本で頑張っている同門の友人たちから連絡があった。友人たちの活躍の話しは聞いていて気持ちがいい。
ところで、夜なべして手袋を縫っているおかげで、ちょっとは縫合がまともになってきた。腎移植チームの手術は肝移植チームと違い、術中に音楽をならしながらリラックスした雰囲気の中進んでいく。日本の手術場に慣れている自分にとって、何だか落ち着かないが、そんな雰囲気にも馴染んできた。しかし、そんな雰囲気の中でも前立ちのアテンディングの先生は、僕のやっている事をしっかりと監視している。先日のことだが、僕が静脈の吻合をしている時に、前立ちの先生は、音楽に合わせて歌いながら踊りだしてしまった。「ちゃんと手伝ってよ」なんて思いながら針を進めていたが、踊っているはずの前立ちの先生が急に、「Dr.○にルーペを着けさせろ、こいつはちゃんと見えていないからルーペが必要だ」なんて言い出した。僕はしっかりルーペをしていたが、ほんのちょこっとバイトが甘かったのを見逃さずに、洒落たいいまわしで注意を促しているのだ。こんな感じで手術をさせてもらっている。