Surgical Loupes

Loupeに関して質問があったので、僕のいる病院で人気のLoupeを紹介する。
ほとんどの外科医はメガネと一体型のルーペを使用している。
Surgical Acuity(http://www.surgicalacuity.com/index/surgicalacuity)かDesign for Visionhttp://www.designsforvision.com/)がほとんどのシェアを占めている。友人はDesign for VisionのExpanded Field typeを購入した。
比較的少数派だが、僕のようなFlip up式も全体の1割ぐらいのシェアを占めている。Flip Up式ではSurgitel(http://www.surgitel.com/)以外は見た事が無い。しかもSurgitelにはOakley FrameのLoupeが存在する。
かなりカッコが良い。ただ、視野の広さと画質は僕のLoupeが勝っている様な気がする。

久しぶりの更新

気がついたら前回ブログを更新してから1ヶ月近くたってしまった。
ここ最近は30人近くの入院患者を抱え、回診だけでも一巡するだけで3〜4時間もかかり、朝の回診と午後のアテンディング回診をあわせると1日8時間回診しているような状態が続いている。特に最近の朝の回診はまさに戦場だ。朝回診はFellowが中心となって回診するのだが、Internはほとんど日替わり状態で患者をみているのであまり当てにならないし、お客様状態のResidentは回診には興味があまりない。もう一人のSenior Fellowは全くといっていいほど回診に姿を見せない。そんな感じで、結局英語のまずい自分ひとりが朝の回診を引っ張っているような状態だ。通常はFellowの僕がリーダーとなって、3人のIntern、それにお客様の2人のResident、更に2人のObserverにPhysician Assistant1人、ごく稀にSenior Fellowも加わりと総勢9〜10人で回診するのだが、はっきりいって人数が多すぎて収集がつかない。ちょっと気を抜くと無駄話が始まりチームの気が抜けてしまっているし、看護士たちは回診途中でもどんどん色々な注文をつけてきて、その都度回診が中断してしまう。Internたちは長時間の回診に文句たらたらだし、Attendingの先生は患者数の多さと、管理の甘さに激怒している。さらに8時間の回診の合間に手術に入ったり(最近はほとんど深夜の手術ばかりになってしまったが)Attendingの先生のお説教を聞いたりで、ブログどころではなかった。それでもこの1ヶ月だけで10症例以上の手術をさせてもらった。
膵腎移植チームには約4ヶ月の滞在になるが、膵腎同時移植を含め、かなりの数の移植手術を経験させてもらう事が出来、非常に感謝している。来月からは成人肝移植チームに配置換えになる。膵腎チームと肝移植チームは病棟を共有しているが、膵腎チームは肝移植チームをダークサイドと呼んでいる。ダークサイドにはダークフォースを操る皇帝とベイダー卿がちゃんと存在する。来月からはダークサイドの修行生活を報告する事になるだろう。

修行の終わり

日本の仲間から先日メールがあった。日本で在籍していた医局の近況を報告してくれたメールだったが、後輩の一人がメスを置くらしい。ちょっと的からはずれたところのある男だったが、モチベーションの高いやつで、後輩の中では光っているはずのヤツだった。
丁度僕らの年齢というのは、自分の外科医としてのカタチを決めなければならない年頃なのだと思う。大学に残って安月給にあえぎながら一流を目指すか、最前線の大病院でバリバリ手術をこなすのか、それとも野に下って暇な病院の勤務医として平凡な生活を送るのか、メスを置いてしまうのか。僕の目指したいカタチは少なくとも後二者には無い。かといって前二者に入れるような才能は持ち合わせていそうに無い。ただ一つはっきりしてるのは、患者さんに「あの先生に手術してもらって良かったね」とか、同僚たちから「あいつならこの手術を任せても大丈夫だ」とか言ってもらえるような外科医になりたい。前出の後輩とは良くこんな話しをしながら飲み歩いていたので、彼がメスを置いてしまうというのは非常に残念だ。

New Frame for Loupes

最近ルーペのフレームを変えた。
今まではチタンのフレームを使用していたが、ノーズパッドが欧米人仕様で、思いっきり日本人な僕の低い鼻にはフィットしていなかった。そのせいか、2時間もルーペを着けているとパッドがあたっている部分が痛くなってきて手術が終わるころには頭痛までしてくる始末だった。今度のフレームはプラスチック製だがスポーツ仕様でカッコが良い。しかもノーズパッドが2種類入っていてアジア人にもフィットするよう配慮がなされている。以前にOakleyのフレームが採用されると書いたが、結局はルーペメーカーのオリジナルフレームのようだ。Oakleyに比べるといまいちかっこよくないが、頭痛からは開放されたし満足している。
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同僚のフェローもルーペを購入した。彼はフレームと一体型の3.5xプリズム式を選んだ。試しに着けさせてもらうと、かなり具合が良い。僕のフリップアップ式ルーペはヒンジ部分が大きすぎて、ルーペを下ろした状態では、ヒンジが視野の妨げとなって広い視野が必要な場合の手技の妨げになる。一体式のルーペは視野を妨害するものは無い。いまさらながらはやまってしまったと後悔している。

Impact Factor

昨日、今日とオフで家でゆっくりと過ごしている。昨夜は家族でSouth Beachの繁華街を観光し、ヨットハーバー脇のMonty'sというSeafood restaurantで食事をした。生演奏のなかカリビアンクルーズの豪華客船が出航していくのを見ながら、Stone Crabを足1本だけ食べさせてやった。妻はこのレストランの雰囲気がとても好きなようだ。
また研究留学時代のボスからメールが届き、1年半ほど前に提出してあった論文が結構なHigh Journalにacceptされた事を知らせてくれた。これで自分がFirst Autorの論文のImpact Factorは16点ぐらいになる。2年間の研究留学時代には3つのプロジェクトを走らせていたが、これでそのうち2本が論文になった。しかし、あともう一つの論文はどうなったんだろう?
1年前に研究留学を終えて日本に一時帰国した時には、1本も論文が出ていなかった。それに対して前任者が4年ほどで6本の論文を書いていたので、医局の教授からは実験もしないでUSMLEの準備をしていただとか厳しい批判を浴びていたが、これでようやく批判を免れる事が出来そうだ。

不穏な会合

昨日、今日と平穏な日が続いている。という訳で、今日は1年目のfellow3人で病院を抜け出しランチに出かけた。以前から3人揃ってメシでも食おうと画策していたのだが、いつも誰かしらが忙しくて結局Fellowを始めて6ヶ月目にしてようやく実現した会合だ。僕ら1年生Fellowは皆Foreign Medical Graduateで、3人ともアメリカでのレジデント経験は無い。しかし、僕以外の2人はヨーロッパでの臨床経験を持っている。同僚の中国人Dr.Wはスエーデン・カロリンスカインスチチュートで5年のTransplant surgeryの経験を持っているし、トルコ人のDr. Aはフランスで肝胆膵外科を学んで来ているという猛者たちだ。2人とも見た目は紳士的な中年だが、修羅場をくぐってきているだけに脳ミソの中身は筋肉質だ。3人とも同じ釜の飯を食っているだけあって、酒も飲まないのに非常に話しが盛り上がった。しかし、やっぱり猛者たちの興味は自分達の修行の話に収束していく。始めは他愛の無い話から始まったが、徐々に内容はエスカレートして不穏な雰囲気に変わっていった。日本でも医局の狂犬仲間と夜な夜な不穏な会合を重ねていたが、アメリカに来てまで同じような不穏な会合をするとは思わなかった。結局話は僕らの不満をFellow programの監督をしているアテンディングの先生にメールで直訴するという比較的平和な解決策で落ち着いたが、酒でも飲みながら話しをしていたら、手術室を3人で占拠してしまいそうな勢いだった。
しかし、どうして僕の周りには筋肉質の脳ミソを持った人間ばかりが集まるのだろう?僕の脳ミソまで筋肉になってしまいそうで心配だ。

記録樹立

前回ブログを更新してから立て続けに2夜徹夜し、連続3日間の記録を樹立する事が出来た。さすがに3日目の朝は、糸を結びながら意識を失ったりして訳がわからない状態になっていた。どうやって家まで帰ったのかも良く覚えていないが、家に帰ってようやくベッドに潜り込んでもICUやOn callのInternから容赦なく30分おきぐらいにポケベルを鳴らされる始末で、ここ数日は最悪の状態だ。たった数行の文章を書いている今も、思わず意識を失いかけている。
という訳で、皆さん、お休みなさい。